



MotoGPのオートバイ・レースの緊迫感を目撃したことがなくても、『Faster』を見たら息を呑むはずだ。初心者に最適の入門編。最速の二輪車を目指すスポーツを総合的に見渡すことができる。また、コアなファンも満足させることは折り紙付き。詳細な歴史、2001〜2002年のシーズンのトップ・ライダーたちのプロフィール、目をみはるようなクラッシュ場面や忘れがたいレースのハイライトと、掛け値なし、正真正銘ベストな撮影技術でMotoGPを捉えた必見の作。前後からカメラがさっとサーキットに舞い降りてくる。監督マーク・ニールは、見る者をMotoGP体験に引きずり込む。興奮せずにいられない映像。大物たちのインタビューとコメンタリー(世界を走り回るバイクフリークのユアン・マグレガーがクールで落ち着いたナレーターを務めている)。どんなスポーツライターでも、文句のつけようのない内容だ。
文字通りにも比喩としても、多くのグラウンド[観点の意味もある]が網羅されている。ケニー・ロバーツと故バリー・シーンが彼らの革新的なハングオンの走法や後輪ステアリングの起原について話し合う場面から、マックス・ビアッジとバイク界に君臨するチャンピオン、バレンティーノ・ロッシとの華やかなライバル関係(2001年鈴鹿でのビアッジの悪名高い“肘打ち事件”含む)まで、『Faster』はこのとても危険なスポーツをこれほど魅力的にしている人間的な要素を見失うことがない。革新的なライダーのギャリー・マッコイ(怪我に悩まされた)と共にサーキット・ドクターの“ドクター・コスタ”が紹介されている(そしてMotoGPのライダーたちについて、深遠で哲学的な考えを披露)。元チャンピオンのウェイン・レイニー(現在は半身不随となってカートレーシングで活躍中)。ルーキー・シーズンの若き天才ジョン・ホプキンズ。他にも、MotoGPの世界の著名人たちが登場する。
特典映像に、2003〜2004年のシーズンをカバーする続編「Faster & Faster」。500cc4サイクルエンジンの台頭を(そして時速215マイル越えのスピードも)目撃できるし、ドゥカティの圧倒的な強さやエンジン・サイレンサ撤去の流行(パワーをあげるため)、ロッシのヤマハへの移籍、加藤大二郎の最期のクラッシュ、セテ・ジベルノーの一連の勝利、ニール・ホジソン、ルーベン・チャウス、シェーン・バーンのデビューが収録されている。『Faster』とその続編はMotoGPの究極のガイドだ。未来のチャンピオンも、テレビを楽しむファンも同じように引き込まれるはずだ。(Jeff Shannon, Amazon.com)


街なかで見られるコンビニエンスストアを模型化。ローソンの店内外シールがリアルな雰囲気を演出する。駐車場は別パーツとなっているので、取り外しが可能。



















イギリスの文豪、トマス・ハーディの最高傑作を、ロマン・ポランスキーが渾身の力で描ききった文芸大作『テス』。貧農の長女・テスは、同じ姓を名乗るにせの親類の屋敷に奉公に出されるのだが、そこの息子の情婦にされた挙句、身ごもって実家に帰ることに。程なくして生まれたその子どもも死んでしまい、テスは再び家を出るのだった…。
ポランスキーがワンシーンごとに粘りのある演出で、大河ロマン的なうねりをつむぎ出す。えも言われぬほどの美しさをたたえたナスターシャ・キンスキーは、生きるほどに罪深くなっていくテスの流転の様を全身全霊で体現。そのみずみずしい魅力は、テスの運命の戯れをいっそう過酷なものにみせてくれる。
映像のひとコマひとコマは、まるでフランス・バルビゾン派の絵画のようだ。撮影監督のジェフリー・アンスワースが撮影中に突然死するアクシデントに見舞われるも、ギスラン・クロケがその後を引き継ぎ、見事アカデミー賞の撮影賞に輝いた。(麻生結一)






おひとよしすぎるピーターの経営するジムは、赤字になって最新設備を擁するホワイトのジムに買収されることに。ジムがなくなったら居場所を失うピーターと常連客はそこで一念発起。皆でチームを作ってドッジボール世界大会での優勝を目指すことに!
いわゆる『がんばれ!ベアーズ』に代表されるダメチーム頑張れ話なのだが、負け犬だらけのジム常連客などキャラクターがどいつもこいつも強烈。さらにその上を行く悪役・ホワイトを演じるベン・スティラーに至っては、豚骨を1ケ月間煮出したような濃さ。横っとびで地面と水平になりながらボールを取る様など一挙一動が笑いに繋がっていてスゴイ。しかも1度に6個のボールを使う、新感覚のドッジボールのスピーディさとスリリングさもしっかり見せてくれる演出も見事。観て損なしの1本だ。(横森文)

